施設退職への心構えとそれに際するマナー

休む暇無く忙しい介護の現場で、スタッフ一人の退職に対し神経質になる人はそれ程いないであろう。それだけ自分自身の仕事で精一杯であり、他のスタッフのプライベートにまで構っている場合ではないからである。

しかし、その分スタッフ一人がしばらく抜ける間の他のスタッフに掛かる負担は大きくなり、それなりの迷惑を掛ける事に違いはない。いざ自分が退職するとなれば事前の心構えを確固たるものにし、他のスタッフや施設責任者、そして施設利用者の迷惑にならないよう適切なマナーを心掛けたいものである。

退職に当たる心構えとして最も重要なのは自分が仕事から抜けても施設全体の業務が滞り無く進められるよう配慮する事。そのためにも業務の引き継ぎは出来るだけ早い段階で行う事が大事である。辞める事を決意したらその旨を早く責任者に伝え、業務引き継ぎ等の便宜を図ってもらう事が必要である。少なくとも辞める1ヶ月前には決意表明し、数週間程度の余裕を持って引き継ぎを進めてゆくのがベストであろう。

また最終日までには担当していた施設利用者にも順次挨拶を済ませ、最終日の挨拶までには自分が辞める旨を知らない人間が誰もいない状態になっているのがベストである。避けなければならないのは自分勝手に突然辞表を出し、何の引き継ぎや挨拶も無く辞めてしまう事。これでは他の人間の迷惑になるだけでなく、後に必要となる年金や各種保険に関わる手続きにおいても面倒な作業を強いられる事になりかねないからだ。